税法が掲載されている本

改正による変更点は?

2015年1月から法律が改正されて増税されています。相続税の課税対象となる人や、相続税を多く納めなければならない人が増える可能性が出てきました。 一般的なサラリーマンでも相続税の課税対象となる可能性が出てきたのです。

主な改正ポイントは2つあります。それは、

  • 相続税の基礎控除額が引き下げられる
  • 最高税率は引き上げられる

です。具体的には、
親などから財産を相続するとき、相続税は基礎控除額までは相続税がかかりません。 その基礎控除額は、2014年12月までは
5,000万円+1,000万円×法定相続人数
で、計算されていました。

しかし、2015年1月からは
3,000万円+600万円×法定相続人数
と、なっています。

その一方で、改正後のメリットもあります。

  • 住んでいる土地の課税額について、減額される金額が大きくなります。 今まで70坪までの減額だったものが、100坪まで減額されることになりました。これはマンション、一個建てに関わらず適用されます。
  • 住環境の変化を踏まえ、2世帯住宅は課税金額が低くなる制度が出来ました。
  • 今まで「減税特例」の範囲が広くなり、今まで特例の恩恵にあずかれなかった土地でも、使えるようになりました。

これらの制度、そして法律の変更点をしっかりと踏まえ、税務対策にのぞむ必要があります。

改正前は主にどういう人が相続税の対象だったか?

改正前は、土地や株などを大量に保有していた人が、相続税の対象だったといえます。

改正後はどのような人が対象になっていくか?

一般のサラリーマン家庭にまで、相続税の対象となる可能性が発生します。
具体的には、「自宅」と「駐車場物件」を所有している人は、相続税申告の対象になる可能性が高いといえるでしょう。

知らずに損をしないため、やっておくべきこと

土地はその利用方法によって、課税対象が変動します。
それを見据えて、事前の対策を打っておきましょう。 また、生前贈与も有効な手段です。ただし生前贈与は、後に税務署で否定されてしまうケースもあります。
例えば、生前贈与は贈与してから3年以内に被相続人が死去した場合、認められません。

「危なくなってから財産を移した」では、間に合わないのです。
お元気なうちから、被相続人となるご本人が決断されることをお勧めします。